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焼酎の「原点」へ

焼酎の「原点」とは

 現在を知り、未来を考えるために必要なことのひとつは歴史を顧みることです。私は、500年の球磨焼酎の歴史の中にこれからの焼酎が進むべき道のヒントがあるのではないかと考え、集めうる史料をすべてかき集めました。焼酎の原点を見極めたいとの思いです。
 そして次のような事実にたどり着きました。
 ・焼酎の歴史は米焼酎から始まったこと。
 ・球磨焼酎は、他地域の焼酎に比べて優れた味わいで
  あると古くから評価されてきたこと。
 ・球磨焼酎は伝統的に玄米で造られてきたこと。

 このような事実から、玄米製の焼酎こそが焼酎の原点であり、一番美味しい焼酎ではないかと考えました。明治の末期の文献には、玄米で造られた球磨焼酎は一度飲んだら忘れられない美味い焼酎だと書かれているのです。そんなに素晴らしい焼酎の歴史を持っていながら、今、玄米焼酎の製法は継承されず、ほとんど造られていません。技術が失われてしまっていることが残念でならないのです。

玄米焼酎が造られなくなった理由

 明治の文献を読むと、当時の税務当局が蔵元に対し、原料を玄米から白米に転換するよう促していたことがわかります。玄米焼酎の味わいが優れていることは認めた上で、経済性や効率性の観点からなされた指導でした。
 玄米を原料とする製法は手間がかかり、アルコール収得率も悪くなります。玄米の焼酎が造られなくなった時期は明治の終わりから大正期。その時期は、国の税収の中で酒税の比率が最も高かった時期です。貴重な米から可能な限りたくさんの焼酎(アルコール)を得て、酒税を課し、国家を支える。効率が求められたのは当然だったのかもしれません。
これからの焼酎
 一度失われた技術を取り戻すのは容易ではありません。玄米で麹を造る方法や仕込む方法について、私たち昭和の世代はもちろん、大正生まれの世代でさえも知りません。明治の文献をもとに試行錯誤を繰り返すほかなく、失敗をたくさん重ねました。そして、ようやくしっかりとした味わいの焼酎を造ることができるようになりました。しかしまだスタート地点。ここを
「原点」として、さらに深い味わいの焼酎を求めて精進していきたいと思います。

「日本でもっとも豊かな隠れ里」

司馬遼太郎「街道をゆく」

作家司馬遼太郎は人吉球磨地方を訪れ、「街道をゆく(肥薩のみち)」を著わしました。
その中でこの地のことを「日本でもっとも豊かな隠れ里」と評価しています。

稲作

司馬遼太郎は、人吉球磨地方の古代の稲作について、次のように記しています。
「弥生式農耕という生産方法がもちこまれたとき、この人吉盆地の地勢ほど稲作に適したところはめずらしく・・・」
「弥生式農耕のやり方では、山襞こそ水田耕作の好適地であった。山襞ごとに球磨川へ流れ込む細流があり、その細流を段々畠に受けてゆけば稲作は容易なのである。」
「球磨川流域は霧の立つ山峡として有名である。川霧が立つと、山襞山襞に寄りこもって容易に消えず流れず、このことが球磨の米を美味にしたことはたしかである。」

棚田|人吉|球磨

隠田

江戸時代、大規模な灌漑工事が行われ、人吉球磨地方の水田は格段に広がりました。そこで収穫される米から多くの焼酎が創り出されたのです。
司馬遼太郎は次のように記述しています。
「内福の理由のひとつは、幕府に田地をかくしていたからだともいう。人吉盆地の奥には、ちょうど奥座や隠れ座敷のような小盆地がいくつかあって、外部からきた巡視役人の目はいくらでもごまかせるのである。(江戸の)政権でさえ、球磨川上流の相良氏がかくしつづけていた人吉盆地の奥の奥までは知らなかったのである。いかに世間から隔絶された里であるかがわかるであろう。」
同様に、社会学者の加藤秀俊は文芸春秋に次のような記事を掲載しました。
「相良藩は表高こそ2万2千石という小藩だが、その実質的には10万石。・・・巨大な米作地帯をかくしていた。・・・球磨焼酎は相良藩の隠匿財産としてはじまったのである。」

国宝・文化遺産

鎌倉時代から明治まで700年にわたって相良氏が安定して統治してきた人吉球磨地方には国宝、重要文化財など多くの宝が残されています。
司馬遼太郎は青井阿蘇神社について次のように高く評価しています。
「この楼門は、京都あたりに残っている桃山風の建造物等よりもさらに桃山ぶりのエッセンスを感じさせる華やぎと豪宕さをもっている。」


南九州唯一の国宝建造物
青井阿蘇神社(人吉市)


県内最古(鎌倉時代)の建造物(国指定重要文化財)
城泉寺阿弥陀堂(湯前町)

日本遺産~人吉球磨

相良700年が生んだ保守と進取の文化~日本でもっとも豊かな隠れ里

日本遺産とは

「日本遺産」とは文化庁が、日本の文化・伝統を語るストーリーを各地で認定する制度。2015年、人吉球磨のストーリーが第1号として認定されました。
認定されたストーリーは「相良700年が生んだ保守と進取の文化~日本でもっとも豊かな隠れ里」
鎌倉時代初めから人吉球磨を治めた相良氏は、急峻な九州山地に囲まれた地の利を生かして外敵の侵入を拒み、日本史上稀な「相良700年」と称される長きにわたる統治をおこないました。
その中で領主から民衆までが一体となったまちづくり精神が形成され、社寺や仏像群、神楽等を共に信仰し、楽しみ、守る文化が育まれたのです。球磨焼酎もそうやって生まれた文化のひとつ。

焼酎における保守と進取

球磨焼酎は、日本遺産の構成要素のひとつとして、「保守」と「進取」の両面を併せ持っています。
「保守」=伝統製法を頑固に守ってきました。
【室町時代から明治時代まで原料は玄米、麹は黄麹で】
明治期の蔵人は、白米で焼酎を造るように指導する当局に対して「玄米でなければ焼酎はできない」と断言していました。
また、酒の神様 野白金一は「昔は麹米も掛米も共に玄米であって、味は滋味に富み、口あたりが温和で珍重されたものだ」とかつての球磨焼酎を評価していました。

「進取」=蒸留技術をいち早く取り組み発展させました。
16世紀に焼酎の歴史が始まりましたが、それは米焼酎でした。
15~16世紀、相良氏は領土拡大路線をとり、伊佐、八代を領有しました。そして八代の港を拠点に対外貿易。そこで蒸留技術を獲得したと考えられています。
18世紀には、高品質な焼酎を製造し、清酒(諸白)の4倍の価格で売買されていたようです。

隠礼里の製法

玄米麹造り

固い殻をかぶった玄米。麹菌は繁殖しにくく麹造りは困難。
小さな甑で丁寧に蒸し、明治以来の石室で丁寧に育てます。
種麹は、より伝統的な黄麹と、昭和25年頃から球磨焼酎に根付いた白麹。両方を駆使して、米の旨みを最大限に引き出します。

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仕込み

固い玄米を溶けやすくするために、掛米は炊きます。
蒸すのに比べとても手間のかかる工程ですが、しっかりと焼酎を造り上げるための先人の知恵です。
ふっくらおいしい玄米ご飯を仕込み、通常よりも長い時間をかけて発酵させます。

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蒸留・貯蔵

昭和30年頃の鉄釜と酒質をまろやかに仕上げると言われる錫製の冷却蛇管。この蒸留器に二段蒸留器を組み合わせ、濃厚な味わいとキレの良さを併せ持つ酒質に導きます。
3年以上の熟成を経て、よりなめらかで上質な焼酎が完成します。

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球磨焼酎|錫製蛇管|常圧蒸留器|
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隠礼里の飲み方

燗ロック

焼酎の原点の味を こだわった飲み方で

1.伝統の酒器「ガラ」を使って直燗をします。
2.グラスにたっぷりの氷を入れます。
3.グラスの氷を溶かしながらゆっくりと熱い焼酎を注ぎ入れ、ステアします。

球磨焼酎本来の甘く深い味わいを残す「隠礼里」は、燗することにより豊かに香味がふくらみ、味わいは深さを増して甘みを感じるようになります。
それを氷に注ぐことによって、やわらかく深みのあり、しかもキリッと冷えた、飲みやすい焼酎ができあがります。
もちろん熱で氷は溶けますので「水割り」に近いアルコール度数にはなりますが、味わいはより深く甘いものになります。

 

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伝統の酒器~ガラ・チョク

燗をつける酒器には「ガラ」と「チョク」をおすすめします。 球磨地方で古くから使われている伝統の酒器です。
「ガラ」の語源はカラカラと言われ、直火を当てて燗をつけるのに適した燗瓶です。
「チョク」は容量10㎖ほどの小さな杯で、度の強い焼酎をちびちび飲むためのものです。

燗がついたら色の変わる「ガラ」をご用意しています。
50℃前後の飲み頃になったら、肥後椿の花びらが、紫から真っ赤に変化して知らせます。
見た目にも楽しく、便利、酒席を盛り上げてくれる酒器です。

水割り(氷を入れずに)

料理に合わせて、お好みの濃さで

【香りと味わいを楽しむ】
焼酎は水を加えた瞬間に、香りが華やかに広がります。さらに、味わいもなめらかに広がります。

【かんたん】
氷を入れない水割りは、焼酎と水の割合が測りやすく、自分に最適な濃さの飲み方ができます。
《焼酎と水を5:5》⇒13%程度、ワイン感覚
《焼酎と水を7:3》⇒18%程度、日本酒感覚

【最後まで美味しい】
氷がとけて、水のように薄くなってしまうことなく、最後までしっかりした味わいを楽しむことができます。

隠礼里に合う料理

肉料理との相性は格別

米から生まれた焼酎ですから、様々な料理に合いますが、特に相性が抜群なのは肉料理。
「隠礼里」は濃厚で香ばしく、しっかりとした味わい。しかもキレが良い。料理の味に負けることなく、肉汁との相乗効果で最高のマリアージュを体験していただけます。


ソーセージ


やきとり


ステーキ


馬刺し


とんかつ


ぎょうざ

玄米焼酎|球磨焼酎|隠礼里|隠れ里|大和一酒造元

球磨 隠礼里 25度 1800㎖

本格焼酎

原材料 玄米(国産)・玄米麹(国産米)

使用麹 白麹・黄麹

蒸 留 常圧蒸留

貯 蔵 タンク・甕(3年以上)

球磨 隠礼里 25度 720㎖

本格焼酎

原材料 玄米(国産)・玄米麹(国産米)

使用麹 白麹・黄麹

蒸 留 常圧蒸留

貯 蔵 タンク・甕(3年以上)

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