令和2年7月豪雨災害

令和2年7月4日に熊本県南部を襲った集中豪雨により球磨川が氾濫。流域で50名の犠牲者を出す大災害となりました。
大和一酒造元は茶色い水に沈み3m浸水。製造場は泥だらけ。タンクは浮き上がって横転。原酒の8割が流されました。百年以上も使われてきた石造りの麹室も完全に破壊されました。
ここでもう一度焼酎が造れるとは到底考えられない絶望的な惨状でした。

球磨川酵母

明治から続く蔵の壁や天井などには蔵付き酵母菌や麹菌、乳酸菌などの微生物が代を重ねて住み続け、焼酎の味を形作ってきました。
これらは球磨川の氾濫によって流されてしまいましたが、球磨川が新たに運んできた微生物の中には蔵付き酵母となって棲みつくものもいるはず。この天然酵母=「球磨川酵母」と一緒にこれから新しい焼酎を造り、立ち直るための足がかりにしよう、そう決意しました。

球磨川|球磨川酵母|球磨焼酎

球磨川の氾濫で運ばれ、蔵付き酵母となった「球磨川酵母」

 

球磨川|蔵付き酵母|

天然の酵母が蔵に棲みついて蔵付き酵母となる

球磨川|菜の花|

球磨川が運んできた種子からは菜の花が咲き乱れた

明治期以前の製法

明治期までの製法は、玄米を原料に、人為的に酵母を添加しない自然発酵。私たちもこの製法に従いました。
手造りの玄米麹と蒸した玄米、計480㎏をタンクに仕込み、美味しい焼酎ができるよう40日間祈るのみ。混ぜることも温度管理することもなく、ただ見守るのです。
蔵に棲む無数の微生物たちが米や麹に付いて、自然に醪(もろみ)に入り、自然の営みとして焼酎を造ってくれます。

球磨川|玄米|

球磨川水系の水に育てられた地元の玄米

球磨川|甑|

小さな甑(こしき)で丁寧に蒸し上げる

球磨川|黄麹|

麹室の中で黄麹を振りかけ床もみする

球磨川|麹|嗅覚|

杜氏の五感を駆使して麹の育ち具合を見極める

球磨川|玄米麹|

堅い殻をかぶった玄米の中に麹菌を育てていく

球磨川|出麹|

石室(いしむろ)で育て上げた玄米麹を出してタンクに仕込む

球磨川|玄米|放冷|

玄米麹と別に玄米を蒸しあげて掛米にする。

球磨川|温泉水|仕込み水|

仕込み水は蔵に湧く温泉水。球磨川水系の水が大地に深く浸み込んでできたミネラル豊富なアルカリ泉。

球磨川|玄米|玄米ご飯|

でき上がった美味しい玄米ご飯

球磨川|仕込み|櫂入れ|

仕込み時に玄米麹と玄米、温泉水を櫂棒でしっかり攪拌。その後まったく混ぜることなく自然に委ねる。

球磨川|掛米|玄米|仕込み|

玄米麹、蒸した玄米、水を同時に仕込む。どんぶり仕込み。

球磨川|発酵醪|

仕込み後数日でシュワシュワ、プチプチ、自然酵母が発酵を始める。

球磨川|蒸留器|鉄釜|

昭和30年頃から稼働している鉄釜で蒸留

球磨川|蒸留器|錫蛇管|

錫製の蛇管で冷却。イオン効果でまろやかな焼酎が生まれる。

球磨川|原酒|

球磨川原酒。

球磨川の恵み

 こうしてできた焼酎は、玄米の香ばしさ、やさしい甘み、球磨川の自然を感じられる味わいとなっております。
 原料は、人吉球磨産の玄米、玄米麹。仕込み水は蔵に湧く温泉水。発酵を支えてくれるのは球磨川が運んだ天然酵母。これらはすべて球磨川の恵みです。
 人吉球磨地方の自然や風土を焼酎という形に表現しました。

 できるだけ自然な味わいを活かすため濾過を行っておりませんので焼酎は白濁しています。
 また、仕込み水(温泉水)のミネラル分と焼酎の旨味成分が結晶化して滓(おり)が出ることがありますが品質に問題はありません。瓶をよく振って頂くと滓はほとんど溶けて消えますので安心してお召し上がりください。
 

お召上がり方

自然な味わいを楽しむために、まずはストレートでお召し上がりください。

よりまろやかさを求める方はロックで。

そして、じっくりと米の風味を堪能したい方はストレートのまま燗をつけて。

 

商品内容

内容量 1800㎖  720㎖

アルコール分 25度

原材料名 玄米(人吉球磨産)・玄米麹(人吉球磨産米)

使用麹 黄麹

酵 母 天然酵母「球磨川酵母」

仕込み法 どんぶり仕込み

醪日数 40~50日

蒸 留 常圧蒸留(鉄釜・錫蛇管冷却)

貯 蔵 タンク(約半年)

球磨川|球磨焼酎|瓶|

ご購入方法

生産量が少ないため、数量限定、特約店のみでの販売となります。

【販売時期】 第1回目は2022年7月4日より販売を開始。その後売り切れることも考えられます。その場合、翌年2023年の7月4日より2回目の販売を行う予定です。

【販売地域】 大和一酒造元のほか、熊本県、福岡県、東京都、神奈川県の特約店にて販売していただいております。販売店名等お問い合わせは蔵元(大和一酒造元)まで。

 

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